自分自身を日本と切り離す――資産に海外への旅をさせて、成長国という勝ち馬に乗ろう

【あなたの代わりにあなたの資産が海外移住】日本人の給料は過去30年ほど上昇していないというのに、たとえばアメリカ人の給料はこのコロナの最中にあっても大幅に増えているという事実。しかもこれからさらにインフレが進行します。このままだと、日本人の私たちは、そう簡単には海外旅行できなくなるかもしれません…できたとしても、かつてのようなホテルに泊まったり、食事をすることは、むずかしくなるかも? 日本の未来と能力について不安を抱いているのなら、あなたの資産を海外へ旅させましょう。

確か2010-12年頃だったと思います。
いつまでも上向きにならない景気、見通しの悪さ、未来への漠然とした不安。
――いつしか私は「日本に未来はないな」と考えるようになっていました。
仕事やいろいろな面で壁にぶちあたっていて、海外に活路を求めたいような気持ちでした。
リーマンショックを経過して数年を経ていたのに、景気は一向に改善する兆しはない。
当時はデフレ進行の真っ只中でした。
少子高齢化、人口減が進む日本に、明るい未来の展望は描けないな。そんな考えもありました。
海外に逃げ出したい…ぼんやりとそんな気持ちに。
でも、子供や家庭や諸々の事情により、そう簡単に実行できるわけではありません。
そのときに自分が出した答えはこうでした。
私は、いま、海外には行けない。
それなら私のお金に海外へ旅をさせよう!
それは、つまり、日本に居ながらにして外国株式に投資をしよう、という思いつきでした。
私自身は日本にいても、私のお金は成長国の成長を享受して、そうした諸国の成長とともに増えてくれる。
わざわざ海外に行ってそこで働かなくても、海外に行ったのと同じような収入や利益を得ることは、可能なはず―――
当時の私はそう考えたのです。
あれから10年
自分の判断はほぼ正しかったと、今なら言うことができます。
2011年から2021年までの10年間で、たとえば米国の株式指標であるS&P500はおよそ3.5倍上昇しています。

仮に10年前に1000万円分をS&P500に投資していたら、その資金は今ごろ(税引き前で)約3500万円に増えている計算です。
(実際には20%ほどの税金がここから差し引かれた金額となります。)
これが「あなたのお金に旅をさせた」ことの効果であり、結果です。
実際には、私のお金は、必ずしもこの通りに増えたわけではありません。
私は、米国株式だけでなく、世界株式全般に投資する投資信託や、債券やREIT(不動産投資信託)やゴールド(コモディティ)にも投資する投資信託など、幅広くつみたてを行ってきたからです。少額ですが仮想通貨にも投資しています。
コロナ以降の過去2年間は、特に米国株式(特にハイテク株などの成長株)の伸びが著しかったことから、幅広く投資した私のポートフォリオは、米国一点集中させた人のポートフォリオには劣後しています。
それでも、あのときの閉塞感から自分が下した決断には満足しているし、海外投資を行ってきて本当によかったと強く感じています。
あのときの自分は、とにかく「自分を日本と切り離したい」気持ちでいっぱいでした。
まだ若いなら、海外留学や海外で働くという選択肢も
まだ若い人なら、これから海外に留学をする、海外で働くといった選択肢があると思います。
これから人口が減って衰退していく一方(かもしれない)日本よりも、人口も伸び続け、マーケットが拡大していく国に活躍の場を求める。その方が、職業人としては、やりがいのある人生になると思います。
しかし、そのように海外にチャレンジすることがままならない人であっても、あるいは海外移住するにはもう遅すぎる年代の人であっても、「あなたのお金に旅をさせる」ことによって、いま海外で起きている成長や拡大を自分のものにすることはできます。
このことを、ぜひ知っておいてほしいのです。
最近、日本人の賃金は過去30年上がっていない、というセンセーショナルなニュースが報じられました。
一方で、米国では需要拡大と供給逼迫により、過去一年で急速に賃金が上昇している様子がうかがえます。
今後はインフレもさらに進行しそうです。

米国以外の諸国、たとえば成長が著しい東南アジア諸国では、賃金の伸びが日本以上の国もあります。
果たしてコロナが落ち着いて、自由に海外と行き来できる日が再び来たとしても、日本人は今後たやすく海外旅行に行けるのでしょうか?
行けたとしても、かつて泊まっていたようなホテルに泊まったり、かつてしていたような食事を海外ですることは、今後はむずかしくなるのかもしれません。
我が国のあまりの低成長ぶりに、不安を感じてしまうわけです…(涙)
実際の海外移住よりもリスクが少ない理由
最後に、実際の海外移住よりも、「資産に海外旅行をさせる」方がよい理由が、もう一つあります。
あなた自身が物理的に移住できるのは、一度にたった一つの国だけ。
でも運悪く、その国で政変があったり、トラブルがあったり、通貨安があったり、災害があったりしたとしたら。
ここが「人による移住」のリスキーなところです。
人の移住は「分散」できませんから、そこには一極集中に伴うリスクが必ずつきまといます。
一方で、あなたのお金は同時に多方面に旅してくれることが可能です。
それは「世界への分散投資」を行うことによって可能になります。
あなたは日本にいて、これまで通りの生活を続けていけばいい。
あなたのお金に世界への旅をさせることによって、あなたは「日本とあなた自身を切り離す」こともできるし、「世界成長の果実を手にする」こともできるのです。
