2022年年明けからの市場調整を受けて(雑感)

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【2022年年初からの株価の調整を受けて、考えたこと、感じたことを書き留めておきます】個人的には、ようやく調整らしい調整が入って、ホッとしています。

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Photo by Anna Nekrashevich on Pexels.com




2022年。年明けからいきなり、下落に見舞われて

2022年に入っていきなり、世界的に株価が下落しているようです。

昨年年末から今年1月末までの一カ月の下落率はおよそ以下のとおり。


2022年1月の下落率

日経平均   -6%

TOPIX -6%

ダウ97% -3%

S&P50095% -5%

NASDAQ91% -9%

MSCI Worl   -5%


…こう書いてみると、まったく大した下げではありませんね。

なぜ巷ではあれほど騒いでいるんだろう?


これらの下落幅は、年初からのパーセンテージ。

実際のピークは、昨年の11月ごろから年明けにかけて。

そこからの下落幅で考えると、おおよそ10%、NASDAQになると約20%。

そのため騒がれているのでしょう。


いかに、2020年3月のコロナショック以来、調整らしい調整がなかったか。

これが今回の下落を受けての、私の感想です。

米国株でいえば、過去2年間は、大きめの調整ですら、5%程度でした。


私の場合は、つみたて投資をしながらも、上がっていく一方の基準価額や指数を見て、唖然としていた面があります。

こんなに上がっちゃっていいの?…みたいな。

そのあたりの見解は、昨年秋にブログに書きました。



巷ではコロナによる悪影響を受けている業種もたくさんあるわけですし、

日常の中で好況を体感するシーンというのも、さほどあったわけではなかったし。


過去1年は、世界的に高値圏に思える水準で投信が毎月が買い付けされていくさまを見て、「取得単価が切り上がっていくのはいやだな~」と感じていました。


なので、今回の調整局面は、私にとっては、願ってもいないチャンスです。

つまり、ふだんのつみたてに追加して、買い増しをする好機がようやく到来したという感じ。


つみたて投資、道はひとつだけではない

よくつみたて投資派の人で、「つみたて投資一筋だから、マーケットなんて理解する必要なんてない」という人がいます。

「ただつみたてだけして、あとは放置していればOK」という考え方ですね。

それも一理あるでしょう。

放置しても長期では増えていくところが、つみたて投資のメリット。


しかし、「それは違う」というのが、私の考え。

もちろん放置しててもOKなんだけれども、もしよいタイミングで買い増しすることができれば、利回りを高めることができるからです。

そして要所要所でこのように買い増しすることができれば、長期でみると、ただつみたてを設定して放置していた人に比べると、大きな違いを生むと考えています。

投資家は、たとえつみたてであっても、よりリターンを高めるための努力をしてもいいのです。

つみたて投資で登る山、道はひとつだけではないのです。



問題は、どこまで下げるか

問題は、どこまで下げるのか、という点です。

この記事を書いている2月3日時点では、日米ともに、いったん下げ止まって回復の途上にあるようです。

でも警戒している投資家が多いのか、リバウンドにはあまり勢いが感じられません。


米国株に限っていえば、現時点では、

NADAQ<S&P500<ダウ

の順に元気という印象。

昨年までいちばん元気だったNASDAQの値崩れが大きく、

勢いで劣後していたダウが、いまは比較的元気があります。


勢いが感じられないのは当然で、米国連邦準備制度(FRB)による利上げ政策の詳細が、まだ発表されていません。

投資家らが疑心暗鬼に陥るのは当然です。

長年にわたる金融緩和政策が、おそらく3月には、終止符を打たれることになるのですから。

利上げの回数、頻度、利上げ幅などをめぐって、詳細がわかるまで、マーケットは疑心暗鬼から調整を繰り返すことになるのでしょう。


1月末の下げが大きかったのは、一部のマーケット関係者の間で「0.5%の利上げ」「毎回利上げ」「バランスシートの縮小」と想定よりも急ピッチな利上げ策をめぐる声が目立ち始めたためです。


さらに、今後見きわめなくていかなくてはならないのは、「利上げ」の問題なのか、それとも「景気後退」の問題なのか、という点です。

利上げだけの問題なら、3月に利上げが開始され、その全容が明らかになるにつれ、マーケットは次第に落ち着きを取り戻すはず。

一方で、利上げのピッチが想定以上に急だと、市場は動揺にみまわれるでしょう。

警戒すべきなのは、FRBの急ピッチなタカ派転向によって、景気後退(リセッション)に陥るというリスクです。

短期金利が上昇しているのに、長期金利はそれほど上昇しないと、どこかの時点で長短逆転で逆イールドが発生します。これは景気後退入りのサインとされています。

このサインが発生するのかを、私たちは注意して見守る必要があります。

景気後退に陥ると、下落の震度はより大きいものに、いわゆる「暴落」につながるからです。


二段階の下落を予測する声も


現にバンク・オブ・アメリカは、「下落は二段階になる」という見解を出しています。


今年前半には「金利ショック」、

後半には、金利ショックによって引き起こされた景気後退によって、今度は「リセッションパニック」が起きるというシナリオです。


私個人は、今はまだ、景気回復の途上にあるとみています。

小型株やNASDAQ、マザーズなどを除けば、下落はまだ10%程度で、この程度の下げなら、以前なら、毎年のようにありました。

しかも決算発表ではおおむね半数ほどが業績好調だったと報じられています。


ただし、あくまで「今は」の、ただし書き付きです。

株価は常に半年先を見て動く」習性があります。

先を読むことは不可能だけど、観察することによって「兆し」をつかむことは、多少はできるはず。

今回の下落が、3月の利上げ開始をもって落ち着くのか。

5月ごろまで不安定なのか。

年央にいったん収まっても、秋以降に今度は業績悪化を織り込んで、再度下落をはじめるおそれがあるのか。

そうした複数のシナリオを考えておいてよいかもしれません。


40年ぶりのインフレ


今回のインフレが約40年ぶりであることから、1970年代のインフレを引き合いに出して、当時と同様の大暴落の可能性を想定しておくべき、という声もあります。

概して、ざっとネットを見渡す限り、当時のインフレを知る中高年は、このたびのインフレに強い警戒心を抱いている印象です。

一方で、上昇相場しか知らない、あるいはいまだかつてインフレというものを体験したことのない若い世代は、総じて強気な見方を維持しているもよう。

これまでに見てきた風景が異なるのだから、当然のことといえます。

人は、自分が経験したことのないものを想像することは、難しいからです。

とはいえ、現時点では景気後退の兆しが表面化したわけではまったくないので、早々に弱気モードに入ることはないでしょう。


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原油高が懸念材料

ただ、気になることもあります。
原油高です。

原油高が発生すると、やがて景気が悪化することが多いです。

米国人はガソリン高になると外出を控えるから、消費が落ち込む傾向があります。

原油高は、車社会の米国を直撃します。

2008年のリーマンショックのときも、急激な原油高の数か月後に、バブルは弾けました。

このことがあるので、注意はしておこうと思います。


FRBは最後まで利上げを貫徹できるのか?


ここまでとりとめもなく書き連ねてきましたが、なんのかんの言って、結局FRBは利上げを最後まで遂行できないのではないか…というシナリオもあり得ます。

今年の利上げで米国を中心とする景気の鈍化、腰折れを受けて、FRBはどこかの時点で利上げを引っ込めてしまうのではないか…(現に2019年の年明けには、そのようなことがありました。)

…こんなシナリオも考えられます。

その場合、暴落レベルの下げを受けての利上げ撤回、となる可能性もあり得るでしょう。


警戒は必要だけど、過度に恐れる必要もない。

観察しながら臨機応変に対処していこう、というのが、結論です。

私の場合は、よりよいタイミングで、よりよいインデックス/投資信託を、買い増ししていこう、ということになります。






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