お葬式、どうする? ―近所の葬儀社の試食会に参加してみました

【通夜の試食会なるものに参加】「近所にある葬儀社が通夜の試食会を催すらしいんだけど。無料だっていうから、行ってみたいわ」。少し前のことですが、実家の母からこのような連絡を受けました。葬儀社主催の試食会? 何それ?? 違和感は感じたものの、話のネタになりそうなので、行ってみることにしました。

この斎場は、20年近く前に、父の葬儀を執り行ったところです。
施設の老朽化に伴い、このたびリニューアルオープンしたようです。
試食会会場(つまり斎場)に着くと、まずは斎場に案内されました。
20年前にくらべると、ずいぶん明るく洋風になった印象。

こちらは斎場のモデルルーム?とでもいえばいいのでしょうか。
これは価格帯としては比較的高級な方のお葬式。
もっと安くて簡便なものにすることもできるそうなので、
気軽に相談してほしいとのことでした。

こちらは親族のための待合室。
これから仏教のお葬式に参加する人たちが待つ場所とは思えないくらい、洋風テイストなお部屋です。
まるで貴族の館みたい(笑)
葬儀社も、喪主世代のテイストに合わせて、チェンジすることにしたのでしょう。
…とは言っても、参加しているのは、どう見ても80歳以上の方ばかり。
私のような喪主世代はほとんど見当たりません。
葬儀を出すというより、葬儀をされるような世代の方たちが、いざというときのために、自分が亡くなったときに残される親族のことを思って、参加しているのでしょうか。
残された遺族に負担や迷惑をかけたくない。
葬式を出す葬儀場くらいは、事前によいところを探しておきたい。
そんな親心があるのでしょう。
何か切なくなってしまいます。
あるいは単に、「無料試食会」の言葉につられて、近所のシニアたちがやってきているだけかもしれませんが…(笑)
(うちの母ですね。笑)

そんな「シニアな方たち」が、通夜で出される食事を味見して、「美味しいわね。これにしましょう」などと言いあってる。
何ともいえないシュールな光景です。
ざっと見た感じでは、参加者は、老夫婦、老夫婦とその息子か娘、高齢者のおひとりさまといった感じ。
いちばん多いのは老夫婦でした。
「あそこの葬儀場を見学してみたけど、なかなかよかったよ」
あとで息子や娘にそう伝えるのでしょうか。
一方、子供のいない方やご夫婦だっているでしょう。
生前のうちにできることは自分たちでしておこう、という考えなのかもしれません。
参加者の中には「この試食会には毎年参加している」という猛者も(笑)。
近くの席に座っているご高齢女性の2人組に声をかけてみました。
今日は無料試食会のチラシを見て、誘い合って来たそう。
お二人は近所の友人同士だそうです。
リニューアルされた斎場に興味があったとのこと。


試食会ではお寿司とシチューをいただきました。
無料でいただくのが申し訳ないクオリティ。
料理長も登場して、料理について簡単な説明をしてくれました。

お土産にパウンドケーキまでいただきました。
立派になった斎場を後にしながら
母と、父が亡くなった時の思い出を語り合った週末でした。