中高年以降の友だちづくりは ―ちきりんさんのvoicy配信から考える

【一生の友だちができるのは学生時代だけ?】先日、社会派ブロガーのちきりんさんが、voicyで「大人になってからの友だちづくり」について語っていました。一般には親しい友だちがつくれるのは学生時代のうちだけ、とよく言われています。
一方、ちきりんさんによると、「SNSなどの発信活動を通じて自分の意見形成をきちんと行っていれば、大人になってからも親しい友人をつくっていったり、つながっていくことは可能」だそう。
今日はこの点について取り上げます。

ちきりんさんのこの発言が行われたのは、2022年2月6日のvoicy。
こちらの配信です。
ちきりんさんの意見はおおよそ以下のとおり。
●40、50、60代でもネットで気の合う仲間を探せる時代になった。
●そのためにはネット上にさまざまな事柄に関する意見を発信し、ネット人格を形成していくことが必要。
●人生100年時代においては、高齢者になってからも、さらに気の合う人と知り合うことができる時代に。
●20代の友だちとずーっとというのは、人生60年時代の発想。
●長く生きていくほど、関心分野というものは変化していくもの。
●ネットを利用すれば、自分と同じ立場の仲間と出会うことができる(たとえば不妊治療の仲間とか)。
私自身の例でいえば、facebookでつながった初対面の人たちと一緒に山歩きをしたり、飲み会を開いたり、投資クラスタを形成してときどき集まって食事したり意見交換したりしています。
過去10年間の交友を考えてみると、SNSを通じた人脈形成は私の社交活動のけっこう大きな割合を占めています。
なので、ちきりんさんの話は、実感としてわかります。
でも、私のようなケースは、少数派みたい。
古くからの友人たちに、「SNSで知り合った人たちと出かけたよ~」とか「一緒に行動したりしているよ~」などと言うと、ドン引きされたり、「それって危なくない?」「SNSで未知の人と知り合うなんて、危険じゃない? 私には無理!」などと言われてしまいます…。
こういう反応をするのは、もっぱら女性ですね。
男性だと、けっこうおもしろがって聞いてくれたりします。
ちきりんさんのvoicyの話を、私は、「とても夢のある話だな~」と思いながら聴いていました。

学校や職場、コミュニティー。
そういった既存の集団を超えて、知らない人とつながれる。
なんて素敵なことなんだろう!
目の前の世界が拡がっていく感じ。
そう思えます。
特に趣味や自分の好きなことでつながれるのであれば、なおさらです。
これまでは、自分の周辺や自分が属するコミュニティーを通じてしか、知り合いや友達は得られなかった。
それが当たり前の時代でした。
学校や職場、コミュニティーといった集団だと、どうしても、「物理的な近さ」が必要条件になります。
「近くにいる人」「接触できる人」でないと、知り合えないのです。
ネットはそういった垣根を取り払ってくれました。
いまは、ネットや発信活動を通じて、日本や世界のどこでも、気の合った人間とつながることができる…これってとっても心強い話です。
物理的に近い人、接触可能な範囲にいる人でなくても、知り合えるし、お互いの考えを伝えたり、意見交換できるってことです。

いまどきの若者の多くがマッチングアプリを使って恋人探しや結婚相手を探しているそうです。
まさに、これと同じことだと思います。
「知っている人としか、つきあわない!」ということにこだわっていると、新たな場でどんどん知り合いをつくって世界を切り拓いていく人たちと、交友関係でも人と知り合うスピードや幅の広さでも、大きく差をつけられてしまうことになります。
昔ながらのやり方にこだわっていると、チャンスや可能性を失ってしまう…のかもしれません。いまの時代。
一方で、そのためには、「自分がどのような人間で、何が好きで、何に関心を持っているのか」を、きちんと打ち出していかなくてはいけないな、とも感じています。
私のことを知らない誰かに、私がどんな人間なのかを知ってもらわなくてはなりません。
わかってもらうためには、ある程度のプレゼンテーション能力のようなものが必要で、初対面の人にひと目(あるいはひと声)でわかってもらえるように、自分をわかりやすく打ち出していく、表現していく体験を重ねていくことが、これからは必要になってくるような気がします。

SNSやネットでなくても、趣味のサークルでも勉強会でも何でもいいのです。
ちきりんさんの言うような、「広くて緩いつながり」をつくっていくためには、ある程度、「同じ関心を持つ人が集える場」をどこかに緩~くつくっていくことが、今後は大切になるんだなー。
そんなことを感じました。
