小さなローカル企業の成長を共有する、という悦び

【夢を買う小企業への投資】毎年欠かさず出席している、とある小さなローカル企業の株主総会。社長による熱い報告をじかに聞き、その長期にわたる目覚ましい成長を確認。育ち盛りの小さな会社に投資するおもしろさと醍醐味を、久しぶりに再確認しました。

先日、いまの会社で働きはじめるよりも前に株式を買っていた会社の、株主総会がありました。
この会社は東証1部上場ではあるものの、いわゆる小企業で、ローカル企業です。
同社に成長性を感じた私は、この会社の株式を購入し、保有しつづけてもう10年近くになろうとしています。
以来、毎年開催される株主総会には、欠かさず出席しています。

小さな会社の株主総会には、大企業のそれにはない、独特なおもしろさがあります。
たとえば以下はその一例。
小企業への投資のメリットとは
伸び盛りの会社が持つ勢いを感じられる。
社長や経営陣と、株主との距離が近い。
ある企業を長期にわたってじっくり見守り応援して育てるという得難い体験ができる。
以下に個別にみていきましょう。
①伸び盛りの会社が持つ勢いを感じられる。
株主総会に毎年参加することで、その変化を定期的に確認、実感することができます。
売上げをはじめ、社員数、営業拠点が年を追うごとにぐんぐん伸びていくさまをプレゼンテーションとその資料で確認。
右肩上がりの折れ線グラフや棒グラフを見るのはうれしいです。
この会社は、コロナ禍により昨年度は売上げが落ち込みましたが、今年度はコロナ前をはるかに上回る好業績を達成することができました。
もう何年も連続で増配を達成しています。

その成長ぶりや勢いに驚きます。
すでに大きくなっている企業の場合、こうした体験はできません。
また、そのように順調に成長していく企業を、過去に選び出して資金を投じた、自分の選択眼に自信を持つこともでき、いろいろな意味で満足感を感じることができます。
②社長や経営陣と、株主との距離が近い。
これも、大企業への投資だと、なかなか体験することができませんよね。
小企業ならでのよさかな、と思います。
地方の小企業だと、株主総会の規模も小さく、会場も小ぶりです。
中には社内の会議室のようなところで総会を行う会社もあります。
このため、文字通り、社長や経営陣と、株主の距離がぐっと縮まります。
上記の会社の場合、総会後に、株主のために懇親会を開いてくれるのです。
そこでお茶とお菓子をいただきながら、ふだん感じている疑問を幹部に直接ぶつけてみたり、自分の意見を社長にじかに伝えてみたりしています。

こういう機会を設けている株主総会が実際にどれくらいあるのかは判りませんが、これは貴重な機会です。こういう機会があったら、ぜひ参加してみることをおすすめします。
経営陣の話を直接聞いてみることにより、経営陣の目線に立ってその会社を眺められるようにもなります。
一方、企業にとっては、長期保有してくれる株主、安定株主を増やすチャンスでもあります。
この会社の懇親会の出席者は、毎年同じような顔ぶれです。
株式を長期保有している人、同社の成長を楽しみにしている人、地元の人が多いことの証でしょう。
株主総会で、ある株主が行った提案を、会社側が実際に取り入れて、翌年の株主総会では提案を取り入れた結果についての報告があったこともありました。
自分の意見がオペレーションに反映してもらえる、というのは、株主にとってもありがたく貴重な経験になりますね。
③ある企業を長期にわたってじっくり見守り応援して育てるという得難い体験ができる。
自分がこれと目を付けて投資した会社ですから、その急成長ぶりを目の当たりにするのはうれしいものです。
まるで自分の子供がぐんぐん育って立派な大人になったような感慨を覚えます。
ローカル企業ですと、住んでいる地域を歩くたびに、その会社の事務所や店舗などがあちこちに増えていくのを目撃することも。
地元だからこそ業況感をつかみやすいというメリットもありますよね。
「自分が育てたんだ」「ここまで大きくなるまで遠くからずっと応援して見守ってきたんだ」。
。。。まるで成長していく雛鳥を見守る親鳥のような気分に浸れます。
これは、同じ長期投資でも、インデックスのつみたて投資では味わえない醍醐味といえます。

このように小さなローカル企業への投資には、独特のおもしろさがあります。
ふだんは投資信託にしか投資しない人、もっぱら大企業や外国企業などを中心に投資している人も、日本国内の小企業への投資にもぜひ挑戦してみてはいかが。
その「町内会のようなノリ」に、驚く人もいるかも。。。(笑)
でも巨大ホールで開催される株主総会にはない距離の近さと味わいに、あなたも病みつきになるかもしれません。
。。もちろん、業績のよい会社に投資することが、大前提ではありますが。。
