「なぜあの人は自分の話ばかりするの?」

私の友人に、集団で集まったときに自分の話ばかりして、ほかの人にはあまり話す機会を与えない人がいます。
こういう人、あなたの周囲にいませんか?
みんな忙しい中を時間をやりくりして集まっている。だのに、その人が自分のことばかり立石に水のごとく話し続けて、ほかの人は口を挟む余地がない…。
わざとそうしているのか。あるいは結果的に話題を独占するかたちになっているのか。そのあたりは微妙ですが、集まりが終わったあと、とても虚しくなるとともに、不思議な気持ちにもなります。
彼女は、ほかの人の話は、聞きたくないんだろうか?
ほかの人の話は、聞くに値しないと、思っているのだろうか?
「みんな黙って私の話を聞くのが当然よ」、とでも、思っているのだろうか?
人と集まるとき、私の場合、相手の話を聞くのが楽しみのひとつです。
相手の近況や気持ちを知りたいという気持ちがあるからこそ、わざわざ時間をやりくり会いに行きます。
もちろん自分の話を聞いてもらいたいという気持ちもあります。
わざわざ個人的に会うほどの相手ですから、相手のことを知りたいという気持ちが当然そこにはあります。

自分の話ばかりする人は、「相手のことを知ろう」という気持ちが欠けているように思えます。
自分のことにしか関心がないのかもしれません。
とても残念なことです。
「相手から何かを学べる」という、貴重な機会を自ら放棄しているからです。
先日SNSで友人らとおしゃべりをしていたときに、私がこの話題を取り上げたら、
大勢が口々に「自分の周りにもそういう人いるいる!」と口々に同意してくれました。
だからよくあるケース(よくいるタイプ)なのかもしれません。
ある友人が言うには、ZOOMなどのオンライン飲み会で、こういう人が一人いると、かなりつらい、と。
リアルの飲み会だと自分が話したい人のところに行って(物理的にそれが可能なら)その人と別の会話をはじめてしまうことも可能。
一人の話をみんなが拝聴しなければいけないわけでもない。
あちこちで複数の会話が同時に進行するのもあり得ること。
一方で、オンライン飲み会は、基本的には、一度に話せるのはひとりだけ。
たまたまスピーカーが会話を独占したがるタイプだと、飲み会の時間はただの苦行に…。

ここまで書いてきて、これは「相手の喜ぶことをする」か「自分が楽しいことをする」かの選択のちがいなのだと気付きました。
ふつうの人は、自分が楽しいことをしたいけど、同時に相手の喜ぶこともしてあげたい。
自分だけ話をして、相手の話を聞こうとしない人は、自分だけが楽しければいい人なのでしょう。
相手の気持ちや楽しさについては、あまり考えることのない人。
要するに、自分以外に興味がない人。
相手に関心をもつことこそが、相手に愛情を伝える第一歩なのに。
「自分の話ばかりする人」は、根底にコンプレックスを抱えているのかもしれません。
自分の不安を隠すために話し続けるのかもしれません。
あるいは自分がいつも話の中心にいたい人。
男女問わずにこういう人は結構多いかもしれません。
上司がこのタイプだと、職場の飲み会は退屈きわまりないものになりそう。

「自分の話ばかりする人」が会話の相手の場合の対処法を、いくつか考えてみました。
(1) 少しずつ相槌を減していくなどして、反応を鈍くしていく。
次第に反応が返ってこなくなると、相手が退屈している、不満に感じていることに気付いてもらえるかもしれません。
(2)よそ見をするなど、退屈していることをさりげなく示す。
「話題を変えたい」というシグナルを送ってみましょう。自分の話に夢中になっている人は、こうしたシグナルにも気が付かないかもしれませんが…。
(3)「今度は私の話を聞いて」とはっきりとお願いしてみる。
相手も自分の話をしたがっているのだということを、明確に示しましょう。
「会話は対等なキャッチボール」ということを相手に気付いてもらうのです。
人によっては、「相手も話をしたがっていたんだ」ということに、ここではじめて気付くかもしれません。
いずれにしても次のことを思い出すとよいでしょう。
人の話を聞く人は、その会話から何か新しいことが学べる。
自分の話だけする人は、すでに知っていることを繰り返すだけだから、そこに新たな学びはない。
人の話に耳を傾ける人には、「成長」があるのです。
【追記】
その後、このブログを執筆したあとに、以下のような説明を見つけました。自分の話ばかりする人、自分のことにしか興味がないのは、「自己愛性人格障害」という一種の障害だという場合もあるそうです。
まあ、障害までいかなくても、誰でも持ち得る特性のひとつにこういうものがある、ということでしょう。
私だって、「ブログを書いて人に読んでもらいたい」という欲求がある時点で、ひとつの「自己愛」と言えるかもしれません。
こういう特性もあるのだと知ることで、人間理解がさらに進むかもしれません。